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サークル名:
コズアワプラユニ
サークルマスター:
紺青 龍

12/30 WED
コミックマーケット77
東4ホール/ロ-21b
※このイベントのみ[DA-Dolce Assortito-]のサークル名で参加してます。

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beat.5


新しく渡された曲は前の物よりかはポップな感じで、でもやっぱり俺がアイドルとして歌ってきた曲とは違う。仮唄すら入っていないからメロディを掴むので精一杯。
前のものよりもハードな感じがない分余計に歌い方に戸惑って、雲雀恭弥を呼ばずに三日スタジオにこもっていたら、

「逃げたんじゃ、ないんだ」

ふらりと地下に降りてきて、当たり前のようにコンソロールの前のチェアに座った。

「なぁ」

せめて、見本くらい聞かせて、と強請ってみれば。

「相当煮詰まってるみたいだね、あなた」

雲雀恭弥は口元に笑みを浮べて、スタジオを示す。結局、見本は無いまま大人しくスタジオに入ってマイクの前に立つ。


息を吸い込んで、肩の力を抜いて、仮唄すらないのだからそのまま、思うままに歌う。
 
最後のフレーズを目を閉じたまま歌い終わって、曲が消えたら真っ暗な闇にとけていく気がした。けれど、

「悪く、ないね」

聞こえた声に、目を開けたら雲雀恭弥がいた。
 
いつもみたいに、ガラス越しにスピーカーを通した声じゃない。

「……もう一回、言って」

嘘みたいで、もう一度と強請れば、

「高いよ」

に、と口元を歪ませて雲雀恭弥はそのままスタジオを出て行った。
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